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たとえば、選択と結果が逆転した世界があったとする。
今目の前に、三人の妻がいる。私は三人とも自分を好いてくれていることを知っており、三人にはそれぞれの良いところがあり、私は自分が彼女らをを好いていることを知っている。そして、自分と彼女らにどういった経緯が、どういったドラマがあり、今に至っているかを知っている。
その上で、誰か一人を選ばなければならないとしたら、果たして選べるだろうか。もっと言えば、選んだ一人以外を深い谷底に突き落とさなければならないとしたら、どうだろう。そんな世界に住みたいと思う人は、きっと頭が狂っている。

生きているうちは、何かを生み出さなければならない。ほとんどの生物は、子を生むために生きている。人は、さまざまな方法で、さまざまなものを生み出しながら生きている(ほとんどの場合は金に換えている)。
これは半強制だ。このサイクルから脱したいのならば、死ぬしかない。ニートだって自分の意思に関わらず、思考の屑を生み出している。何も考えない人間はいないのだから。

だけど、自分が何をどうすればいいのかをわかっている人なんていない。その結果、何が生まれるかを知っている人なんているわけがない。選択しなければならないのだ。何も知らない状態から選択した結果が、何かを生み出すということだ。

それを受け入れることができず、ぐずぐずとしているばかりの人間は、きっと前述のような世界で頭を狂わしながら生きていくしかないのだろう。

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