空想への道

人間滅べばいいのに。

ああ、鬱だ。ここ最近で最高潮に鬱だ。明日の帰りに酒でも買ってこよう。それを楽しみにして明日生きる。
どうせ一人酒だけど。ビールと日本酒どっちがいいかな。久しぶりにビールにしようか。いやでもゆっくり飲むなら日本酒だよな。うん。決定。



思考が安定しない。

考えてたことをふとした瞬間に忘れてしまう現象が頻発する。なにかを空想してた気がするのに、まるで夢をみていたみたいに、すっと消えてゆく。頭の中には思考の残滓が確かにあるのに、いくら考えても思い出せない。そしてそういう瞬間は、必ずといっていいほど思考が乱れていて、何かを考えようとしてもまるでゼロをかけているように消えていってしまう。

最近思う。昔のように、楽しい空想ができなくなった。昔は、自分のなかに面白くて興味深い事柄をたくさん抱えることができて、いつもそれについて考えていたのに、最近はその空想すらできない。頭の中に自分の空間を広げることができない。それをしようとしても、見えない何かに阻まれて現実に引き戻されてしまう。そうした瞬間、私はショックを隠せない。

なんだったんだ。今、私は何を考えていたんだ。とても面白いことだった。興味深くて、これから頭のなかで空想に浸りたいと思った。なのに。何かに思考を邪魔されているような気がして、そしてそれを意識すると余計に、頭が働かなくなる。そして、ああもうだめだ、もう頭が働かない、と言って投げ出す。忘却。もう絶対に思い出せない。

私の頭は、二種類の思考回路がある。いや、これはたとえの話だけれども。空想を広げているときは、まるで宇宙空間のように無限に思考が広がっているように感じる。それも、頭じゃなくて、胸のあたりに。胸にもう一つの空間ができて、そこに自分の世界が広がっている。それに浸っているときは、まるで夢の中のように、当たり障りのない、だけどとても面白い考えが浮かんでくる。

だけど、ふっとするとその空間は消滅してしまう。もう一つのくだらない現実的な思考が頭を支配して、何も考えられなくなる。

最近、空想へ繋がる道が、極端に細くなってしまった。すぐに現実によってせき止められる。一度詰まってしまえばもう流れない。いっそ詰まった空想が氾濫してしまえばいいのに、それもない。すべて飲み込まれてしまう。


昔のように自由な思考をしたい。もう、今の私には無理なのかな。どうして、できなくなってしまったのだろう。私は、それが一番かなしい。